トップページ/ニュース 建築学科の生田・谷田・佐藤研究室が「愛・地球博」20周年記念イベント「彩の回廊」に出展
愛・地球博記念公園内で彩り豊かな空間演出 6月28日(土)~7月20日(日)に展示

2005年の「愛・地球博」(愛知万博)開催から20周年を記念した愛知県主催の事業「愛・地球博20祭」の一環として企画され、会場となった愛知県長久手市の「愛・地球博記念公園」を特別感あふれる空間に演出するイベント「彩(いろどり)の回廊」に、本学理工学部建築学科の生田京子教授と谷田真准教授、佐藤布武准教授の研究室が参加し、構想から設計、制作まで約1年間をかけて制作した作品が6月28日(土)から7月20日(日)まで展示されます。6月26日には学生たちが最後の仕上げ作業に追われました。
「彩の回廊」は、学生たちの多彩な創造力やアイデアを生かした彩り豊かな「インスタレーション」(空間演出)を行うことで、若年層に愛知万博への興味を持ってもらい、メインテーマ「自然の叡智」などその理念と成果をつなげていこうと企画されました。参加した県内12大学・24チームの学生たちが制作した作品は園内の階段や噴水、丘など4か所に設置された仮設構造物(モジュール)で、3月25日から9月25日までの会期を6タームに分けて入れ替えながら展示しています。
生田研究室は学部生と院生の計26人、佐藤研究室は修士2年の4人、谷田研究室も修士2年の3人が中心となって約1年をかけ、今回の作品の企画案の構成作りから設計、大学内での準備、現地での施行までを行い、完成にこぎつけました。学生や院生たちは「学生だけでの手で何かをつくりあげるのはありがたい経験でした」「失敗も多く、実験を重ねては作り変えるなど試行錯誤して大変でしたが、自由にできて楽しかったです」と手応えを話していました。
【生田京子研究室】テーマは「見えていて見えていない世界」
愛知県児童総合センター前の丘に設置された生田研究室の作品のコンセプトは「見えていて見えていない世界」。鏡のシールを貼ったアルミの複合板40枚余りをモジュールに取り付けたり、ワイヤーで吊り下げたりした作品で、その狙いについて川上依吹さん(修士2年)は「スマホの画面を受動的に受け止め、知った気になっているのが今の世の中。そこで、歩き回ったり、のぞいたりと能動的に鏡に反射する像を見ることで、見えてくるものがあることを体験してもらおうと考えました」と話しています。
【佐藤布武研究室】「身の回りの自然に目を向けてもらう」がコンセプト

愛知万博のテーマ「自然の叡智」から触発され、「身の回りの自然に目を向けてもらう」ことをテーマにしたのが佐藤研究室の作品で、展示場所は愛・地球博記念会館近くの階段です。素材が綿100%でタマネギと園内のクマザサで染めた布が、日陰をつくり、時に風に揺れて、居心地の良い空間を演出しています。「展示場所が階段で見通しが悪くなるのを逆に利用して設計しました」と白石光さん(修士2年)。「布に包まれる感覚が味わえ、波打つ布をくぐることで空を切り取り、見えてくる風景も変わります」と演出の効果を期待しています。
【谷田真研究室】テーマは「水と人、資源、植物の循環」

展示場所は噴水がある西口広場になったことから「水と人、資源、植物の循環」をテーマに掲げたのが谷田研究室です。「もともと子どもがいっぱい遊びに来る噴水広場なので、楽しみながら環境問題に触れてもらえたらと考えました」と髙木柊さん(修士2年)。人の手が加わってホースで水を循環させることで、植物のプランターを動かしたり、缶や巻きつけたアルミホイルで音が鳴ったりするようにしたほか、来場者がホースをつなぎ変えたり、蛇口を替えたりして水が流れる場所を変える仕掛けも用意しました。