トップページ/ニュース 学生起業家から学ぶ連続セミナー「DONUTS(ドーナツ)」を開催 -名古屋市ふるさと納税の「学生タウンなごや推進寄附金」で実施―
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講演する合同会社Quicken. 代表の小谷瑞季さん
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講演する一般社団法人うみのこてらす代表理事の川邊笑さん
社会課題に挑む学生起業家から学ぶ連続セミナー「DONUTS(ドーナツ)」の第1回が6月26日、天白キャンパスの起業活動拠点ものづくりスペースM-STUDIOで開催され、名城大生をはじめ近隣の大学生など9人が参加しました。
本プログラムは、社会課題を解決することでサスティナブル(持続可能)な未来をつくりたい学生や学生起業家向けのインキュベーション(新事業創出や起業家育成)型連続セミナーで、さまざまな課題に立ち向かう先輩起業家との対話や同じ志を持つ同志との出会いの場を提供しています。本学卒業生の河合将樹さん(2021年経済学部卒)が代表を務める株式会社UNERIが運営を担い、全6名の登壇者、計3回の開催。
前半では、ゲストの事業内容や起業に至るまでのストーリー、学生時代の葛藤やチャレンジ、そして社会課題に向き合う中での気づきややりがいをお話しいただきます。モデレーターとの対話を通して、等身大の起業家像やその背後にある価値観を紐解いていきます。
後半では、参加者同士やゲストとの対話を交えながら、自分自身の興味や違和感を言語化するワークショップを実施します。
最後には、イベントを通じて得た学びや気づきをもとに、自分なりのアクションのヒントを持ち帰ってもらえるような設計となっています。
【学生起業家のリアル】
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参加目的を共有する参加者
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パネルディスカッション
今回は2名のゲストをお招きして開催しました。
お一人目は、学校の講師登録の際に求人情報が見えないという情報の非対称性解消を目指し、公立小・中学校に特化した潜在教員向けの講師・支援員求人サイト『ミツカルセンセイ』を運営する合同会社Quicken. 代表の小谷瑞季さん。お二人目は、現在は退職教員や地域の方々と共に、不登校の子どもたちや思春期の子どもたち向けの居場所づくり、子ども食堂を運営する一般社団法人うみのこてらす代表理事の川邊笑さん。
前半のパネルディスカッションでは「きっかけ・最初の一歩」をテーマにゲストの皆さんに起業に至るまでのきっかけをお話しいただきました。
小谷さんは、実は大学4年生の時は企業に就職する予定で内定も出ていたとのこと。内定後に教員不足問題に触れるきっかけがあり、意を決して内定を辞退、休学をして起業しました。
川邊さんは、在学中に出会ったNPO法人での学習支援・居場所支援の活動がきっかけで、地域間格差を課題に感じ、地方での居場所づくりをビジョンに起業しました。
お二人は学生起業家だからこその壁にぶつかることもあったそうです。
小谷さんが難しかったのは「小さく始めること」。公的な組織との連携では、学生である小谷さん個人が動かす小規模なシステムを、すぐに受け入れてもらうことはできませんでした。
川邊さんが直面したのは、「学生」であるがゆえに信頼を得にくいということ。「継続して取り組むつもりがないのでは」と受け取られてしまい、活動拠点となる場所を借りるにも苦労があったといいます。
それらの壁を、お二人はそれぞれの強みを活かして乗り越えてきました。
小谷さんは「調べる」力。調査を重ねることで、行政や教育現場が抱える課題の解像度を上げ、求人サイトについても自ら調べながら、自力で作成を進めました。
川邊さんは「色んな人を巻き込む」力。元教員の方に活動を支援してもらい、心理学の専門家からも意見を取り入れるなど、周囲を巻き込みながら活動基盤を強化。着実に各方面からの信頼を築いてきました。
プログラムの後半では、お二人が参加者の輪に加わり、一人ひとりの疑問や声に対して率直に、丁寧に答えていただきました。
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ワークショップの様子
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参加者の集合写真
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質問をする参加者
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参加者の質問に丁寧に答えるゲスト
なおこのプログラムは、ふるさと納税制度を活用し、名古屋市内の大学の地域貢献事業を支援する「学生タウンなごや推進寄附金」で名城大学を指定いただきましたご寄付を原資に運営しています。主体的で前向きに取り組む学生たちへの引き続きのご支援、よろしくお願いします。