トップページ/ニュース 都市情報学部・大野沙知子准教授のゼミが「文化のみち橦木館」でゼミを開催

デッキ構築型カードゲーム「ゲーム限界都市®」で都市政策での価値判断を学ぶ

「文化のみち橦木館」でのゼミに臨む学生たち 「文化のみち橦木館」でのゼミに臨む学生たち

都市情報学部の大野沙知子准教授が担当する「地域システム計画ゼミ」の3、4年生14人が6月19日、貴重な歴史的建造物が残る「文化のみち」(名古屋市東区)エリアにある「文化のみち橦木館」でゼミを開催しました。都市情報学部では、包括協定を締結している名古屋市の協力のもとフィールド調査を行っており、今回はその一環となります。

フィールド調査の対象地である「文化のみち」でゼミを行うことで、「文化のみち」について学び、訪れる市民や活動しているガイドボランティアとの交流を深めることを意図して企画しました。この日は、都市政策における価値判断について学ぶことができる「ゲーム限界都市しあわせなまち」の開発者で一般社団法人「Do It Yourself」代表の東善朗さんを講師に招き、名古屋市観光文化交流局歴史まちづくり推進課の職員もゲーム参加者として、実践しました。

ゲーム形式で「社会課題への政策に簡単に取り組むことができた」とゼミ生

「ゲーム限界都市®」は、参加者自身が市長となり、社会問題の影響を受けながら財源と政策を使い、「市民の幸福」(生きがい/健康/所得)獲得を目指すデッキ構築型カードゲームです。実際に起きている問題や、提言されている政策への関心が高まることを目指し、あそびながら「きっかけ」「関わりしろ」づくりに取り組むことに特徴があります。

ゲームは、所得や交付金を手札に①社会課題②政策③獲得の3つのフェイズを進めます。①社会課題フェイズで発生した「生活習慣病の拡大」「山間地の医師不足」などの社会課題に対して、②政策フェイズで「定期健康診断」「関係人口の創出」など手持ちのカードを活用し回避します。回避できない場合は、地域の幸福点や人口が減少するなどペナルティを受けます。そして③獲得フェイズで、今後発生する社会課題に向けて財源と引き換えに政策を手に入れます。幸福点を競うゲームですが、人口がゼロになり他市に合併されたり、幸福点がマイナスになって終わったりする結果も用意されています。

参加した学生からは「ゲーム形式のため、社会課題への政策に簡単に取り組むことができた」と感想があり、名古屋市職員からは「政策は行政で取り扱う身近な内容だった。興味をもって学んだ文化のみち橦木館での経験を今後の活動で大切にしてほしい」とゼミ生にアドバイスがありました。講師を務めた東さんからは、まちづくりゲームは内発的動機付けに向けて開発されたと説明があり、「このゲームを通じて、初めて社会課題だったと気づくこともある。社会課題を意識していない層への働きかけとして、まちづくりゲームを活用してほしい」とメッセージがありました。

担当した大野准教授からは、包括協定を双方にとってよりよくするために、今後も一緒に学ぶ関係づくりを進めたいと伝えられました。

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