トップページ/ニュース 佐川眞人特任教授が「愛知の発明の日」記念講演会で登壇

演題は「ネオジム磁石の発明~イノベーションを起こすのは若い研究者~」

講演する佐川特任教授 講演する佐川特任教授

大同特殊鋼株式会社顧問で本学の佐川眞人特任教授が「愛知の発明の日」の8月1日、名古屋市昭和区鶴舞の「STATION Ai」で開催された記念講演会で登壇し、「ネオジム磁石の発明~イノベーションを起こすのは若い研究者~」と題して、世界最強の永久磁石「ネオジム磁石」の開発の経緯の紹介を通して、「ここにいる若い人たちが研究者になって社会に貢献してほしい。イノベーションを起こせるのは若い間だけ」と呼び掛け、若手研究者にエールを送りました。

「若い研究者はイノベーションを起こし、私は究極の研究者を目指す」と佐川特任教授

市民や研究者、企業関係者ら約150人を前に、佐川特任教授は企業の研究所時代に初めて取り組んだ磁石の研究について「初心者で指導者もいなかったが、独学でやり出したら面白かった」とのめり込んでいったことや、ネオジム磁石の発明につながるアイデアがありながら会社からはその研究は認められなかったため、「管理職のポストを棒に振ってでもチャンスを求めて磁石メーカーに転職した」ことなどを紹介しました。

現在では電気自動車やハードディスク、産業用ロボットなどのモーターや風力発電機など幅広い用途に使われているネオジム磁石を発明し、国際学会で発表したのは佐川特任教授が40歳の時で、「若かったから『なぜ希土類の磁石はないのか』という疑問を持ち、若かったからアイデアがひらめき、若かったから定説を気にせず、あきらめずにサンプルを作製して評価していった」と力を込めました。

さらに、1982年のネオジム磁石の発明から3年後には量産化が確立できたのも「若い研究者が意欲を持って取り組んだから」と強調。最後に「若い研究者はイノベーションを起こし、年配の研究者である私は究極を目指します」とさらなる研究への意欲を示した佐川特任教授。参加者から「挫折しそうな時に原動力になったのは?」との質問に「科学者として成功したいとの思いがあり、苦しいとは思わず楽しかった」と笑顔を見せていました。

「愛知の発明の日」は、「日本の十大発明家」の1人であり、この地域の産業の礎を築いた豊田佐吉翁が1898(明治31)年8月1日に日本で初めて動力織機の特許を取得した日にちなんで、広く県民に発明や知的財産の重要性を考えてもらおうと、愛知県が2004年に制定しました。記念講演会は愛知県と経済産業省中部経済産業局、愛知県発明協会が主催して毎年開催しており、今回で21回目となりました。

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