トップページ/ニュース 都市情報学部の講義「フィールド調査の方法」で名古屋市担当者を前にグループ発表
講義の集大成 各グループから「文化のみち」の観光施策など提案
都市情報学部の2年次開講科目「フィールド調査の方法」を受講する学生たちが12月11日、ナゴヤドーム前キャンパスでの講義で名古屋市観光文化交流局の担当者も交えて発表会を実施し、これまでの学びの成果となる「文化のみち」(名古屋市東区)周辺での観光施策やまちづくり施策などについて発表・提案を行いました。
「フィールド調査の方法」は質的・量的なフィールド調査・社会調査の理論を学び、実際の観光地・施設などに出向いてアンケート調査を行い、データの集計・分析、プレゼンテーションを通して、社会のさまざまな課題解決に活用するフィールド調査の方法の修得を目指す講義です。これまでに講義を通してフィールド調査の基本やデータの取り扱いなどを学び、「文化のみち」の調査視察、名古屋市担当者の講演、アンケート調査実施を行ってきました。
ラッピングバスの導入や季節性のあるイベントの実施など提案
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発表の様子
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発表の様子
発表会は、司会進行の大野沙知子准教授の講義の振り返りから始まり、各班の発表・質疑応答、全体講評の流れで構成。どの班もアンケート調査の結果をもとにした独自の発表・提案を行い、なごや観光ルートバス「メーグル」についての調査結果から、「メーグル」認知度の低さを指摘しつつ、「文化のみち」訪問者増加のため、ラッピングバスの導入や季節性のあるイベントの実施などを提案した班や、同じく「文化のみち」の認知度調査をもとに、調査結果とグラフを用いて地下鉄とメーグルの比較などの分析を行った班もありました。
同じ調査エリア・対象であっても、「メーグル」ではなく地下鉄駅からの施設までの案内強化を提案するなど視点を変えて提案を行っており、大野栄治教授から「対象が同じでも切り口が異なる点が面白い」というコメントや、森杉雅史教授から分析内容について「一般化交通費用でのさらなる分析のすすめ」などより深い研究方向性の示唆もありました。
他にも、講義で実施したアンケート調査以外に名古屋市ネット・モニターアンケートの結果なども併用した班は、名古屋駅の柱にデジタル広告を掲載する提案をしました。また、デジタル利用の音声ガイドやエピソード再生サービスの提案、位置情報と連携した車内ディスプレイを用いた観光体験という新しいサービス・機会を提案した班もありました。
学生も質疑応答を経験 名古屋市担当者「今後の市政の参考にしたい」
森龍太准教授からは「VR導入時の問題点・課題点や費用と収入のバランスはどうか」など、調査・提案の枠を超え事業として成立するかの是非に関わる踏み込んだ質疑応答もありました。名古屋市担当者からも「もし提案を導入する場合のコスト」についても指摘があり、学生にとって提案を実現化することの難しさや今後の政策実現の可能性も考える機会にもなりました。全体講評では、名古屋市の担当者から「バス停に関する提案や地下鉄からの誘導方法についてなどは今後の市政の参考にしたい」というコメントと「今回調査した情報をどう扱うか、どう分析するかという経験は社会に出てからもきっと役立つ」との励ましのお言葉も頂きました。
教員からは、提案するにあたって自分や家族が行ってみたいと思える提案かどうかというマインドの重要性を指摘する声のほか、「調査は提案の根拠となるデータを探す位置づけでそれをみつけるのは難しく大変だが、経験をこの先にも生かしてほしい」「観光客の属性を見抜き観光地や対象であるフィールドを熟知してこそ提案やリピーターを増やせる方策が出てくる」「民間も行政も現実性が重要で事業として実施することの難しさや予算や収益を考えることも重要」「調査を実施するためには自治体の方々や関係者のご尽力があってのことを忘れないでほしい」というコメント、講評がなされました。
発表会後の学生たちは、発表会の経験を今後に生かす意気込みと発表・提案という集中と緊張の時間を無事に終えた、安堵の表情を浮かべていました。
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質疑応答の様子
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質疑応答の様子
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質疑応答の様子
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発表の様子


