トップページ/ニュース 建築学科の谷田研究室がコメダ珈琲店と連携し、「次世代のくつろぎ空間」を創出

賑わう会場 賑わう会場

理工学部建築学科の谷田真准教授研究室と株式会社コメダは12月23日、天白キャンパス研究実験棟Ⅳの学生ホールに“いつものコメダだけど、ちょっと違うコメダ”、授業の合間に立ち寄れ、新たな交流と価値を生む「次世代のくつろぎ空間」を出現させました。
コメダからキッチンカーも駆け付け、告知活動には昨年「しっかり朝ごはんを食べるライフスタイル『スクールモーニング』」をコメダと共同実施した「チームはらぺこ」のメンバーも協力。いつもと違う学内の雰囲気に誘われ、学生たちも列をなしました。

5月から検討を開始し、実験の場としてイベントを開催

谷田研究室と株式会社コメダは、産学連携プロジェクト「コメダ・カスタマイズ」を2025年5月から開始。同社から出された「次世代のくつろぎを生み出す店舗カスタマイズ」の課題に、学生たちは提案するにはまずリサーチからと、名古屋市瑞穂区にあるコメダ珈琲店本店で平日と休日のそれぞれ3日間(計6日間)、開店から閉店まで13人でローテーションを組み、調査を行いました。

コメダ珈琲店の店舗設計の担当者と意見交換を経て、導き出したのが1人でも2人でも長居できる小上がりの座敷風シートエリアとスリット家具というアイデアでした。今回はコメダの赤いソファにスリット家具、そのスリットに自由に取り付けられるガジェットと呼ばれる小さな机や雑誌ホルダーなどを製作し、使い勝手と利用者の行動を調査する実験の場としてイベントを開催しました。

  • あらゆる動線から興味を引くよう配置の角度も工夫 あらゆる動線から興味を引くよう配置の角度も工夫
  • 赤いソファの縦縞模様から着想されたスリット家具 赤いソファの縦縞模様から着想されたスリット家具

コメダの赤いソファからスリット家具を着想

  • スリット家具の上部のテーブルを活用し、座っている人と立っている人でもコミュニケーション スリット家具の上部のテーブルを活用し、座っている人と立っている人でもコミュニケーション
  • 研究実験棟Ⅳの前にコメダのキッチンカー 研究実験棟Ⅳの前にコメダのキッチンカー

スリット家具は、コメダの赤いソファの縦縞模様から着想を得て、愛知県産のヒノキの合板を使用して製作。釘も使わず組み上げられ、持ち運び可能な仕様のため、コメダを感じられる空間をどこでも作り出すことができます。宮﨑絢子さん(建築学科3年)は「重量も考慮し、くり抜ける部分はくり抜き、その部分を使ってガジェットを作り、無駄なく使用することで環境への配慮も意識しました」。また、スリット家具の上部に付けた小さなテーブルを含めた高さは、コメダ店舗の低く設定された間仕切りと同じ高さに揃えたといい、「コメダの特徴を守りつつ、それぞれの方が過ごしやすいようにカスタマイズしてもらえたら」と話しました。二村洸生さん(理工学研究科修士1年)は「座るだけがくつろぎではなく、立っている人と座っている人でコミュニケーションが生まれたり、くり抜いた部分から新たなコミュニケーションが生まれたりしたら面白い」と設計の意図を説明しました。

田中本部長「若い学生さん感性は素晴らしい」

テレビ愛知や中日新聞など4社のメディアが取材 テレビ愛知や中日新聞など4社のメディアが取材

谷田准教授は「学内の使用できるスペースで実施してみたが、私たちがやろうとしていることに、絶妙に空気感がマッチしている。普段使いなれた場所も家具が変わるだけで、雰囲気も変わる。通過動線に家具を設置したことで、立ち入らなくても、座らなくても、違いを感じとってもらえたら」。現場に訪れた株式会社コメダの開発・建設本部の田中啓文本部長は開口一番「びっくり、よくできている」と驚きを見せ、「コメダとして50年の積み重ねがあり、今の店舗で完成形と思い込んでいた。社内にいると“こうあるべき”という枠からはみ出せない。若い学生さん感性は素晴らしい」と称えました。

二村さん「設計、施工だけでなく、運営までできるのが谷田研究室」

谷田研究室の学生たち 谷田研究室の学生たち

二村さんは「通常の研究室は設計、施工までだが、今回は実際にどう使われるかまで携わる機会をいただいた。家具の設置角度も熟考し配置したが、イメージと乖離があるのかを検証できるのは有難い。ここまで経験できるのが谷田研究室の強み」と研究室の特徴も力説しました。
田中本部長は「コメダが女子駅伝部のスポンサーになってから名城大学との関係ができ、当社としても大学との取り組みのモデルケースになっている。今後、店舗の床や壁、装飾も新しい物を取り入れたいと考えており、引き続き協力してもらえたら」と次への期待も示しました。

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