トップページ/ニュース 都市情報学部の稲葉千晴教授が最終講義
「ロシア・周辺諸国と日本を考えるシンポジウム」として開催 約60人が聴講
2026年3月31日をもって定年退職される都市情報学部の稲葉千晴教授の最終講義が1月24日、ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホールで、「ロシア・周辺諸国と日本を考えるシンポジウム」と題して開催されました。学生やゼミ卒業生ら約60人を前に稲葉教授は講義で、長年にわたる研究の成果として「日露戦争の目的や性格は、結果として植民地侵略戦争だったと言える」と提示し、名城大学での27年間の教職生活を締めくくりました。
約700万円をリトアニアに贈った「杉原千畝ウクライナ難民募金」の活動終了も表明
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あいさつする網中元学長
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共同通信元モスクワ支局長の松島さん
初めに、稲葉教授とゼミ生らが2022年4月から2023年11月まで取り組んだ「杉原千畝ウクライナ難民募金」について、稲葉教授が難民募金を立ち上げた経緯や当初は2カ月で約600万円が寄せられ、最終的に約700万円をリトアニアに贈ったことを紹介。「これ以上は継続できず、残念ですが、これで活動を終わらせていただきます」と表明しました。
続いて、「27年前に稲葉教授を名城大学にリクルートした」という元学長の網中政機名誉教授があいさつに立ち、稲葉教授について「日露戦争研究の第一人者で、その研究もさることながら、学生の主体性を尊重する教育に秀でていた」と紹介。さらに「フィンランドなど北欧の国々やポーランドに造詣が深く、世界を駆け巡ってきた。これからも引き続き世界で活躍されることを期待しています」と力を込めました。
シンポジウムではゲスト講師3人が登壇。共同通信の元モスクワ支局長で編集委員の松島芳彦さんが「ウクライナ戦争は終結するのか? 戦争の現状と展望」と題し、ロシアのウクライナ侵攻の今後の行方について解説。現在の戦況を「ひと言でいえば膠着状態。前線が大きくダイナミックに動く状況にはない」と指摘し、今後の見通しとして「消耗戦の継続」や「根本的な解決がなされない『紛争の凍結』」などの可能性を挙げました。
長年の研究の成果として「日露戦争は結果的に植民地侵略戦争だった」と提示
元駐アルメニア特命全権大使で国際交流基金理事の田口栄治さんは「アルメニア:帝国の生きる国と民」と題し、ロシアやトルコなど大国に挟まれた小国アルメニアの歴史や民族の苦難を、フェリス女学院中学・高校講師の笹本玲央奈さんは「海軍中佐・廣瀬武夫:いかに生き、いかに描かれたか?:笹本著『廣瀬武夫へのまなざし:直筆資料に見る「軍神」の実像』から読み解く」をテーマに、各時代の理想が投影された廣瀬武夫の人物像などを紹介しました。
最後に、稲葉教授が「日露戦争は祖国防衛戦争か植民地侵略戦争なのか?:論争に終止符を打つ!」と題して登壇。稲葉教授は「朝鮮半島の利権を確保したかった日本は、この機を逃すと勝機がなくロシアと開戦したが、満州の領有は予定していなかった」と強調。研究成果の集大成として「日本が南満州を占領した時点で戦線が膠着して終戦となり、そのまま南満州を継続支配することになって、結果として『植民地侵略戦争』になった」との見解を示し、名城大学の教壇に別れを告げました。
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元駐アルメリア特命全権大使の田口さん
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廣瀬武夫研究者の笹本さん
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最終講義での稲葉教授
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シンポジウムの会場


