トップページ/ニュース "見えない世界"を見てみよう カーボンナノチューブ発見者・飯島澄男教授の結晶構造模型を展示
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天白キャンパス研究実験棟Ⅱの2階に展示された模型
普段は目にすることのできない「原子の世界」を体感できる特別な模型が、天白キャンパスの研究実験棟Ⅱに展示されました。
この模型は、カーボンナノチューブの発見で知られる本学終身教授・飯島澄男氏より提供されたものです。金(Au)や塩(NaCl)といった物質の結晶構造を立体的に再現しており、「原子がどのように並んで物質の性質をつくるのか」を“目で見て”理解できる貴重な教材です。
世界的講演でも使用された模型
この模型は、1997年にロンドンの英国王立研究所で開催された伝統ある講演会「Friday Evening Discourses(金曜講話)」で実際に使用されました。
この講演会は、1825年に電磁気学の先駆者であるマイケル・ファラデーによって創設され、世界トップレベルの研究者が一般の聴衆に最先端科学を紹介する場として開催されてきました。格式の高さでも知られ、講師・聴衆ともに正装で参加する伝統ある催しです。
ナノの世界を「身近な形」で伝える
飯島教授は同講演において、「カーボンナノチューブ ― 人間の作った超微細チューブ」と題し、炭素原子が六角形の格子を作りながら筒状につながる構造を紹介しました。
その説明では、日本の竹細工の籠を用いてナノ構造との類似性を示すなど、目に見えない世界を身近な形に置き換える工夫がなされ、多くの聴衆の共感を呼びました。
「構造を見る」ことから科学は始まる
今回展示されている結晶構造模型もまた、科学の本質に迫る重要な視点を示しています。
飯島教授は、
「この模型は実際に動かして見ることができる。角度を変えることで構造の見え方も変わる。原子レベルの世界と人間の知恵や工夫とのつながりを感じてほしい」
と語っています。
最先端の研究においても、理解の出発点は「構造を立体的に捉えること」にあります。
普段何気なく目にしている「金」や「塩」も、その内部では規則正しく美しい構造を持っています。
この展示は、そんな“見えない世界”を直感的に感じることができる貴重な機会です。
ぜひ足を止めて、角度を変えながら模型を観察してみてください。新しい発見があるかもしれません。


