トップページ/ニュース 青色LEDがIEEEマイルストーンに認定、天野教授が記念講演
故 赤﨑勇 名城大学特別栄誉教授と名古屋大学の天野浩教授らが発明した青色発光ダイオード(青色LED)が、米国に本部を置く世界最大の電気・電子技術学会IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)から「IEEEマイルストーン」に認定され、3月23日、名古屋大学で贈呈式が開催されました。
「IEEEマイルストーン」は電気・電子の分野で達成された画期的なイノベーションの中で、開発から少なくとも25年以上が経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を認定する制度で、1983年に創設されました。
寿命は発熱電球の40倍、約30兆円の省エネに貢献した青色LED
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青色LEDで白色光を作る原理を見せながら説明する天野教授
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1980年代初頭の赤﨑研究室の状況を紹介
贈呈式で名古屋大学の杉山直総長は「青色LEDの発明はエジソンの白熱電球以来の照明革命と言われ、高効率で省エネルギーという環境負荷の低減を実現。まさに現代社会に必要な発明だった」と称え、「赤﨑先生は『我一人荒野をいく』という気概で研究を続けられ、天野先生らと共に努力と工夫を重ね、失敗にもめげずに実現された」と紹介しました。
記念講演に登壇した天野教授は、「世界を照らすLED-青色LED創成までの道のりと社会への貢献」のテーマで講演。青色LEDが開発されるまでの経緯や赤﨑教授と共に歩んだ研究過程を説明しました。当時の赤﨑研究室の研究資金の少なさにも触れ、「予算がなく、結晶成長装置はすべて学生の手作り。様々な企業の方から機器や部品、実験用の原料の提供いただき、何とか研究ができていた」と明かしました。
青色LEDの実現に向けて、結晶製作の転機となったのは、東北大学へ結晶成長方法の見学に行ったことだったと話し、「自分たちがやっていたことと全然違った。急いで大学に戻って装置を改良した」と話し、1985年、ついに青色LED実現に大きく前進する窒化ガリウムの単結晶作製に成功しました。「赤﨑先生に『すごい結晶ができました』と持って行ったところ、綺麗になっただけじゃダメ。品質を確認しなさい」と指摘を受け、赤﨑先生の冷静で研究に対する真摯な姿勢も披露しました。
実現した青色LEDは、寿命は発熱電球の40倍、効率は6倍以上。アメリカのエネルギー省の試算によると、米ドル換算で1,900億ドル(現在のレートで約30兆円)もの省エネを達成。「この小さな半導体のチップが、 大量生産、大量消費のコンシューマーエレクトロニクスから、長寿命循環型のサステイナブルエレクトロニクスへの転換をもたらした」と胸を張りました。そして最後に「この窒化ガリウムという素材は、電源回路、高速通信、紫外線レーザーなど、まだまだポテンシャルがある」と次も見据えて、講演を締めくくりました。
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会場では約130人が、オンラインでは約700人が聴講
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赤﨑教授門下生として記念撮影。左から上山智教授(名城大学)、天野教授、岩谷素顕教授(名城大学)、竹内哲也教授(同)


