トップページ/ニュース 飯島澄男終身教授と記者との懇談会を開催
ノーベル賞の発表前にカーボンナノチューブの最先端の応用研究や近況を紹介
カーボンナノチューブ(CNT)の発見でノーベル賞の受賞が期待される飯島澄男終身教授とメディア各社の記者との懇談会が9月7日、天白キャンパスの研究実験棟Ⅱで開催されました。野口光宣学長と記者との懇談会に引き続いて行われ、飯島終身教授はCNTの最先端の応用研究や近況などについて語りました。2026年のノーベル賞は10月6日(火)に物理学賞、7日(水)に化学賞が発表されます。
スマホのバッテリーや半導体、構造材料など幅広い分野に応用広がる
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CNTに光を当てると音が出るデモンストレーションを披露
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引用論文数を示すグラフ
冒頭、CNTに光を当てると音が出るデモンストレーションを披露した飯島終身教授。初めに、CNTの最先端の産業応用について説明し「皆さんのスマホのリチウムイオン電池に使われている」と述べたほか、高速トランジスタなどの半導体分野、歯科用のX線撮影装置など医療機器、軽くて引っ張りに強い特性を生かした構造材料など幅広い分野にわたっていることを解説しました。
これを裏付けるデータとして、1991年に飯島終身教授が発表したCNT発見についての論文に関して「応用分野が広がり続けているため、(30年以上が経過した)現在でも引用数が右肩上がりで増えている」ことをグラフで示し、ドイツの研究所が「CNTの発がん性は低い」との論文を専門誌に掲載したことも背景にあることを示唆しました。そして、化学メーカーの「日本ゼオン」がCNTの生産能力を大幅に拡大すると発表したことも紹介しました。
さらに、飯島終身教授は人類を救う応用研究の事例として、カテーテルのエンドスコープ(先端)にCNTを使って血管の中の治療を行うという技術や、クリーンエネルギーとして期待されている「核融合発電」で危険な中性子を発生させない新たな方式として、エネルギーを直接、電気に変換するための電極としてCNTが利用される研究が進んでいることも解説しました。
日本の研究環境に危機感 研究者に「現場に出て広い視野で見ることが重要」と強調
質疑応答も行われ、日本の科学研究の現状について問われると、8月に中国を2回訪問した飯島終身教授は中国では応用研究に巨額の投資が行われていることを指摘し、「人材の教育や環境を整えなければ」と日本の研究環境に危機感を示しました。そして若い研究者に向け、アインシュタインの言葉を引用して「知識よりもイマジネーションを働かせ、専門分野に閉じこもらず、現場に出て広い視野で全体を見ることが重要」と訴えました。
日常の生活や趣味も聞かれた飯島終身教授は「私は欲張りで何でもやりたがる。自転車もフルートも学生時代の岩登りもそう」と自らを分析。「毎日、自転車で坂道を登って大学に来ている。フルートは毎日吹かないと音が寂しくなるので、毎朝10分か15分ほど音を出すようにしている」と明かしていました。
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最新の応用研究も紹介
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質問に答える飯島終身教授


