特集現実世界にデジタル情報を投影!名城大学の「AR研究」

岡林研究室

名古屋大学大学院工学研究科電子情報学専攻修士課程修了。国内自動車メーカーにて、自動車用情報呈示装置、自動車用ヘッドアップディスプレー、色相別空間周波数と表示情報の可読性の研究などに従事。現在は、都市空間環境認知、視覚ヒューマンインタフェースに関する研究を行っている。

都市情報学部 都市情報学科 博士(工学)

岡林 繁 教授

Shigeru Okabayashi

視覚に加え、嗅覚や触覚など、 人間の感覚提示技術に関する研究を行っています。

岡林教授の過去研究

フロントガラスへの投影装置

走行速度をフロントガラスに表示させるヘッドアップディスプレーを開発。少しの視点移動で速度を確認できるので安全性が高まります。現在の岡林研究室でのAR研究も、この技術を応用しています。

人間の情報視知覚・認知・記憶のメカニズムを探求
「AR技術」で自動車の安全性をアップ!

現在のカーナビゲーションは、小さなディスプレー画面に、地図と道順、その他の情報が表示されるものが主流です。ドライバーは、無意識のうちに画面の大きさと実際の大きさを反映させて情報を取得していますが、情報を照合する際、画面と実際の風景との大きさに差があるほどドライバーの応答性が低くなることがわかりました。ARでは現実世界の上にデジタル情報を表示させるので、ドライバーが脳の中で拡大縮小をする必要がなく応答スピードもゼロに近い。つまり、より安全性が高いナビゲーションシステムが可能になります。また、情報を照合するメカニズムを解明するためには、短期記憶がどのように構築されるのかが大きな鍵となると考え、今後は記憶に関する研究をスタートさせる予定です。記憶が残りやすい、忘れやすい条件などを解明し、ナビゲーションシステムの新しい基準をつくることができたらと期待しています。

現在主流のカーナビ
ドライバーは、画面で見た情報を無意識のうちに現実世界に反映させて認知している。

現実世界の上にデジタル情報を表示させるAR技術を応用すれば、より便利で安全性の高いナビゲーションシステムが可能に。民間企業でも市販化に向けた開発が進められている。

サーモグラフィーカメラの映像をガラスに映し出す装。夜間でも通行人の存在をはっきりと確認できる。

視点移動による認知スピード測定