トップページ/ニュース 杉原千畝生誕120年、「命のヴィザ」発給80年 国際シンポジウムをナゴヤドーム前キャンパスからZoomで開催

100人が参加 大村愛知県知事と4カ国の駐日大使が祝辞

ナゴヤドーム前キャンパス南館のゼミ室から国際シンポジウムを進める(左から)稲葉教授、グリーン准教授、赤羽講師 ナゴヤドーム前キャンパス南館のゼミ室から国際シンポジウムを進める(左から)稲葉教授、グリーン准教授、赤羽講師
Zoomで参加した大使や発表者ら Zoomで参加した大使や発表者ら

「命のヴィザ」で知られる外交官、杉原千畝(すぎはら・ちうね、1900~1986年)を顕彰する国際シンポジウムが12月3日、開催されました。杉原研究家でもある都市情報学部の稲葉千晴教授(国際関係論)が、ナゴヤドーム前キャンパスからZoomで運営しました。2020年は杉原生誕120年、杉原がリトアニアでヴィザを発給してユダヤ人を救ってから80年に当たります。同シンポは節目にあたって本学、愛知県教育委員会、在日リトアニア大使館、在日イスラエル大使館の4者が中心となって企画しました。開催時間はヨーロッパの朝に合わせて午後5時から。日本とヨーロッパなどをオンラインでつなぎ、約100人が参加しました。

冒頭、大村秀章愛知県知事が「杉原の行為を顕彰し、その善意がはぐくまれることを願います」と祝辞。駐日リトアニア、ドイツ、ポーランド、イスラエル各特命全権大使も次々にZoomで祝辞を寄せました。とりわけリトアニアのゲディミナス・ヴァルヴォリス大使は、コロナ禍の困難な環境下での開催をねぎらい、「成功し、記憶すべきシンポジウムになることを期待します」と述べました。

研究発表は3人が行いました。

リトアニアの旧都カウナスにある杉原記念館の主任研究員シモナス・ストレルツォーヴァス博士は「杉原のユダヤ人救出とリトアニアの役割1939-1940年」と題して講演。ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発した1939年9月から、リトアニアがソ連に占領された1940年6月までのユダヤ人難民のカウナスでの生活ぶりを紹介しました。その上で、ポーランドからユダヤ人がカウナスに逃げた理由や、彼らが「命のヴィザ」で出国するまでのリトアニアの手厚い援助に光を当てました。

イスラエル・ハイファ大学のロテム・コーネル教授は「ヤド・ヴァシェームによる杉原の『有徳の人』認定プロセス」の題です。イスラエルはエルサレムにあるホロコースト記念館「ヤド・ヴァシェーム」で、ユダヤ人を救ってくれた各国の非ユダヤ人を厳選して「諸国民の中の正義の人」(有徳の人は稲葉教授の新訳)に認定し顕彰しています。杉原は厳しい基準を満たして「有徳の人」に選ばれ、それがきっかけとなって人道的な英雄と有徳の模範として世界的に認識されることになったと、選定の経緯を交えて偉大な事績をたどりました。

稲葉教授は「リトアニアから日本へ:杉原ヴィザを持ったユダヤ人たちの困難な旅路」の題。ユダヤ人難民は「命のヴィザ」のおかげでリトアニア、シベリア、日本経由で上海などに逃避行ができました。しかしヴィザだけでは逃避行は実現しませんでした。シベリア鉄道や船による渡航の費用を送金したのは、アメリカのユダヤ人組織「JOINT(ユダヤ人救済資金分配委員会)」でした。稲葉教授は「ユダヤ人組織の支援は救出劇に不可欠だった」と報告しました。

この後、赤羽俊昭国士館大学講師がナゴヤドーム前キャンパスから、ほかにゲルハルド・クレーブス・元ベルリン自由大学教授とエヴァ・パワシュ=ルトコフスカ・ワルシャワ大学教授がオンラインでコメントしました。

司会は、元本学法学部准教授のデーヴィド・グリーン名古屋大学准教授が務めました。

3人の研究発表のレジュメはこちらへ。

録画を公開中

  • Zoomを通して祝辞を述べるリトアニアのゲディミナス・ヴァルヴォリス大使 Zoomを通して祝辞を述べるリトアニアのゲディミナス・ヴァルヴォリス大使
  • 研究成果を発表する稲葉教授 研究成果を発表する稲葉教授

このシンポジウムの録画はYouTubeで公開しています。

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