特設サイト第24回 八事キャンパスの薬用植物(3)
春の八事キャンパスです。
初春を告げる真っ白なユキヤナギの花やレンギョウの黄色い花を愛でる日はあっという間に過ぎ、新学期のあわただしさの中で桜を楽しんだ4月も気がつけばもう後半戦です。
新入生にとって、名城大学は自分の大学になりつつあるのでしょうか。
こちらでは、北門から入るとすぐにピンクの絨毯となった芝桜がお楽しみいただけます。天気の良い日には、新3号館のガラスフェンスにも映り込んで、まばゆいばかりです。
その芝桜と列をなすように植えられたドウダンツツジも少しずつ咲き始めており、月末からゴールデンウイークにかけて可憐な花を楽しむことができると思います。
また、正門側ではホオノキが咲き始めており、しばらくはその大ぶりな花を楽しめます。
冬の間にすっかり葉を落としていましたが、今では新緑の若葉を日に日に大きく広げています。
ホウノキは、モクレン科の樹木で、その樹皮を厚朴(こうぼく)と呼び、漢方医学では気の巡りをよくする「行気薬(ぎょうきやく)」として知られます。
第21回で紹介した「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」の重要な構成生薬であり、停滞している気を巡らし、咽喉部のつかえ感を改善させる作用を示します。
成分としては、アルカロイドのマグノクラリンに神経伝達遮断作用があることが知られ、またリグナン化合物であるマグノロール、ホウノキオールに持続性の中枢性筋弛緩作用があることも明らかにされています。このマグノロールやホウノキオールには抗菌作用もあり、朴葉味噌や朴葉寿司、朴葉餅など、調理や食品容器として用いられるのに一役買っているとも言われます。
これから薫風香る季節となります。
ホウノキを見上げつつ、その先の青い空も楽しみましょう。
(2016.4.21)