特設サイト第21回 漢方処方解説(6)半夏厚朴湯

暦の上では、小寒を過ぎ、大寒を迎えようとしています。
週末からの寒気の流れにより、今日も街は雪や氷によって真っ白ですね。
毎年センター試験の頃に、雪に見舞われることが多いような気がするのですが、それも暦の上では当たり前なのかもしれません。

さて、今回取り上げる漢方処方は、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)です。
この処方は、半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)、厚朴(こうぼく)、蘇葉(そよう)、生姜(しょうきょう)の5種類の生薬から構成されています。

出典は、「金匱要略(きんきようりゃく)」という漢の時代の処方集であり、とくに女性で、のどに「炙臠(しゃれん)」のようなものがあると感じる方に用いるという表現が特徴的です。「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)」と言いますが、のどに焼いた肉がくっついているような、そんな気がするという表現です。日本では、同様の症状を「梅核気(ばいかくき)」といって、のどに梅の種がつかえているような感じと表現します。西洋医学的な表現では、いわゆる「ヒステリー球(咽喉頭異常感症)」でしょうか。いずれにしても、のどに何かつかえているような気がするとか、つまったような感じがして息がしにくいとか、実際には何もないのに異物感がするという訴えを指標に用いられます。

このような症状は、本来身体をスムーズに巡っていなければならない「気」が胸からのどの辺りにかけて滞り、さらに「上から下へ」ではなく「下から上へ」と逆流している結果生じていると考えられます。気の巡りが悪くなり、停滞してしまうことで、神経症状として憂鬱になったり、少しのことが気になったり、イライラしたり、眠れなくなったり、そんなときに有効です。

煎じ薬として調製しますと、最初に蘇葉(シソの葉です)の鮮やかな紫色が現れ(画像左)、徐々に全体に茶色くなっていきます(右)が、味はちょっといい紅茶のような雰囲気です。

最初に蘇葉の鮮やかな紫色が現れる

最初に蘇葉の鮮やかな紫色が現れる

徐々に全体に茶色くなる

徐々に全体に茶色くなる

最近は、腰痛の原因にも心因性のものがあるとか。
すべからく、ストレスに原因を求めるのもおかしなことと思うのですが、気の巡りが悪くなればいろいろな不具合が生じてもおかしくはないなと、あらためて漢方医学の考え方に共感する今日この頃です。

ストレスの多い毎日を送っている受験生の皆さん。ゴールはもうすぐです。
暖かくして、頑張ってください。

(2016.1.25)

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