特設サイト第37回 漢方処方解説(13)桂枝茯苓丸

今回取り上げる漢方処方は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。

構成生薬は、桂枝(けいし)、茯苓(ぶくりょう)、桃仁(とうにん)、牡丹皮(ぼたんぴ)、芍薬(しゃくやく)の5種です。
元来は丸薬で、上記の構成生薬を薬研(やげん)(※1)で粉末にし、蜂蜜などで丸薬にするものですが、「料」として、他の湯液と同じように煎じたものも用いられます。医療用あるいは一般用漢方エキス製剤では、熱水抽出したエキスに賦形剤(ふけいざい)(※2)を加えて、顆粒剤や細粒剤にされていますから、製品名としては正しく「桂枝茯苓丸」となっています。

この処方は、婦人病に用いられるもので、いわゆる「血の道症」に有効とされます。

漢方医学では、いわゆる「血」の巡りが悪くなり、鬱血するような状態を「血瘀(けつお)」といい、その結果生じた、病気の原因となるものを「瘀血(おけつ)」と呼びます。
ぶつけた覚えがないのに痣(あざ)があるとか、唇や目の下がなんとなく暗い色をしているとか、そんなサインが出るのですが、身に覚えのある方はいらっしゃいませんでしょうか。
他に、めまいや肩こり、のぼせや下腹の圧痛などの症状があることが多く、足腰の冷えや逆に足のほてりがある場合、また月経不順やむくみ、イライラ、不眠などを伴う場合もこの処方の適応症に入ります。

写真は、八事キャンパスで花を咲かせた牡丹(ぼたん)です。桂枝茯苓丸に使う牡丹皮(ぼたんぴ)はこの根の皮で、根を掘り出した後、その芯を抜き取ったものを乾燥して使います。

看板には、生薬名を記載してありますから、「ボタンピ」としてあります。

カタカナで表記してあるのは、日本薬局方での表記だからです。
名前が可愛いという方もいましたが、決して書き間違えているわけではありませんよ!

  • 桂枝茯苓丸の構成生薬のひとつ「牡丹」の花。看板には生薬名「ボタンピ」が記載されています
    桂枝茯苓丸の構成生薬のひとつ「牡丹」の花。看板には生薬名「ボタンピ」が記載されています

(※1)漢方薬などをつくるとき薬効を持つ薬種を細い粉に挽くときに用いる器具。「第26回天候と頭痛」で、五苓散を紹介する際、薬研の画像が掲載されています。

(※2)薬を取り扱いや成形の向上、服用に便利にするために加える成分。でんぷん・乳糖・水などが用いられます。

(2017.5.26)

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