特設サイト第134回 入梅を前に

比較的乾燥した4月、5月であったからか、各地では山火事が多く報じられました。被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

最近では、真夏日を観測したというニュースがありますが、朝晩はまだ涼しく、かぜをひいたとか、なんとなく調子が悪いという声をよく聞きます。かく言う私も寒暖差にやられてか自律神経のバランスを少し失い、GWに差し掛かる頃にはめまいや眠気に悩まされておりました。その後、のどの痛みから鼻水に、また夜中に咳きこむなど、久しぶりのかぜ症状に苦しんでおります。
このコラムを書いているのは2026年5月21日ですが、昨日のネットニュースで「発熱はないものの、のどの痛みや鼻水がつづく『謎のかぜ』が流行っている」という記事を見まして、皆さん同じような症状に悩まされているのだなと思いました。

昨年、「感冒と漢方薬(第128回)」というコラムで、いろいろな症状に応じて漢方薬を使い分けてくださいというお話をしましたが、今回いろいろな処方を試して、最終的に小青竜湯に辿り着いたという顛末記を記します。あ、あくまでも個人の経験ですと断っておきましょう。

当初、のどがチクチクするような感覚があり、新型コロナウイルス感染症に罹患したことを思い出させるような嫌な気分だったのですが、とくに他の症状もなく、そのまま過ごしていました。そのうち、のどの痛みがはっきりとしてきて、少しだけ身体が熱いというか、熱感もあったので(体温を測ると平熱でしたが)、銀翹散エキス顆粒(第51回)を服用しました。しかし、とくに改善もなく、咳きこんで夜中に目が覚めるということがあり、のどの乾燥感もあったので麦門冬湯エキス錠(第7回)を服用し、少し症状は治まったものの、つぎにはさらさらとした鼻水に悩まされるようになるなど、症状が流動的になっていきました。うっすらのどに痰がからんで咳も激しいので、以前コロナに罹ったときにお世話になった五虎湯(第126回)を試したりもしたのですが、振り返ってみれば、いわゆる六経弁証の中の太陽病期にいることは間違いなく、水様性の鼻汁や咳嗽に悩まされ、とくに強い咳きこみがあるので、小青竜湯合麻杏甘石湯(小青竜湯加杏仁石膏)がいいのではと考えました。市販のエキス剤で小青竜湯と麻杏甘石湯(94回)を一緒に服用してもよかったのですが、いくつか構成生薬が重なっているし、せっかく刻み生薬を取り揃えているのでと、煎じて服用することにしたら、かなりの症状改善となりました。症状が出始めて2週間と少し経ちましたが、今は小青竜湯エキスを一日2回服用する程度で、もうすぐ全快となりそうです。

いつもの梅シロップ
いつもの梅シロップ

そろそろ梅雨入りを迎えますし、「気象病」とか「天気痛」などと呼ばれる頭痛などには利水剤である五苓散(第4回)や気逆を治す苓桂朮甘湯(第58回)が助けになるでしょう。すべてOTC医薬品として薬局・ドラグストアにありますから、薬剤師さんにご相談ください。

また、梅雨になる前に梅の実が出荷されますから、「梅しごと」を始めて、暑い夏を迎える準備もしてください。
天候など自然には逆らうことが難しいです。うまく付き合っていければいいですね。

(2026年5月29日)

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